血小板凝集能

内科学 第10版 「血小板凝集能」の解説

血小板凝集能(血小板機能検査)

(3)血小板凝集能
 血小板機能検査のなかで最も一般的に用いられている検査.血小板凝集惹起物質で刺激し,血小板どうしが凝集する過程を評価する方法である.比濁法が一般的.クエン酸で採血した全血を遠心操作により,赤血球白血球を除き,血小板が豊富な多血小板血漿(platelet-rich plasma:PRP)を分離する.この多血小板血漿は白く混濁しているが,これを37℃で攪拌しながら一定濃度の凝集惹起物質を加えると,血小板凝集によりその濁度が透明に変化する.この濁度の変化を分光光度計にて透過度としてとらえ,経時的に測定し記録する.血小板凝集惹起物質としてはアデノシン二リン酸(ADP),アドレナリン,コラーゲンなどがあげられる.これらの物質は血小板膜GPⅡb-Ⅲaとフィブリノゲン依存性の血小板凝集を惹起する.一方,抗生物質であるリストセチンは,上記の物質とは異なり血小板膜GPⅠb-Ⅸとvon Willebrand因子との結合を惹起し血小板を凝集させる(図14-5-6).[冨山佳昭]
■文献
尾崎由基男:血小板系検査.図説 血栓・止血・血管学−血栓症制圧のために(一瀬白帝編), pp750-755,中外医学社,東京
2005.高見秀樹,玉井佳子:出血時間測定.血小板生物学(池田康夫,丸山征郎編),pp719-726,メディカルレビュー社,東京,2004.

出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報

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