内科学 第10版 「血小板数」の解説
血小板数(血小板機能検査)
末梢血には約15~35万/μLの血小板が存在し,血小板数が10万/μL以下の場合,血小板減少とされる.出血傾向が明らかになるのは血小板数が約5万/μL以下の場合である.EDTA依存性偽性血小板減少症に留意すべきである.通常,血小板数測定には抗凝固薬としてEDTA(エチレンジアミン四酢酸 )が用いられているが,まれにこのEDTAの作用により血小板が凝集塊を形成する場合がある.自動血球計数器においてこの凝集塊が1つの細胞と認識され,見かけ上血小板減少をきたす現象である.免疫グロブリンが,EDTA存在下で血小板どうしを結合させるためにこのような現象が起きる.塗抹標本や抗凝固薬なしの採血直後に測定し血小板数が正常であることを確認する.生体内では血小板数は正常であるため治療の必要はない.[冨山佳昭]
■文献
尾崎由基男:血小板系検査.図説 血栓・止血・血管学−血栓症制圧のために(一瀬白帝編), pp750-755,中外医学社,東京,
2005.高見秀樹,玉井佳子:出血時間測定.血小板生物学(池田康夫,丸山征郎編),pp719-726,メディカルレビュー社,東京,2004.
出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報