精選版 日本国語大辞典 「行きる」の意味・読み・例文・類語
い・きる【行・往】
- 〘 自動詞 カ行上一 〙 ( カ行五(四)段活用動詞「いく(行)」の連用形がカ行上一段活用に再活用した語 ) =いく(行)
- [初出の実例]「ゆふべせん九へいきたか」(出典:洒落本・風流裸人形(1779か)上)
行きるの語誌
( 1 )一般に四段・ナ変・カ変・サ変動詞の連用形を語基として上一段に再活用させる口語動詞の一つで、語基となる動詞の意味に丁寧さの加わった美化語。これは江戸前期に京大坂の遊里語として生まれ、上方の女性語として一般化していった。
( 2 )「お‐いきる(行)」のような形は連用形再活用上一段動詞にかなり高い敬意の加わった尊敬語。「祇園町の方へ往(オユキ)たゆへ」〔洒落本・老楼志‐上〕は「おゆきる(行)」の例。これは江戸後期、文政のころ、京都の遊里祇園あたりに発生した言い方か。→「ゆく(行)」の語誌