行く(読み)ゆかく

精選版 日本国語大辞典 「行く」の意味・読み・例文・類語

ゆか‐く【行く】

(動詞「ゆく(行)」のク語法) 行くこと。
万葉(8C後)一四・三五三〇「さを鹿の伏すや草群(くさむら)見えずとも児ろが金門(かなと)よ由可久(ユカク)し良(え)しも」

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デジタル大辞泉 「行く」の意味・読み・例文・類語

ゆ・く【行く/逝く/往く】

[動カ五(四)]
向こうへ移動する。「はやく―・け」
目的地へ向かって進む。「学校へ―・く」
歩く。歩いて進む。「悪路を―・く」
通り過ぎる。「沖を―・く船」
年月が経過する。「―・く秋を惜しむ」
流れる。「―・く水のごとく」
(逝く)死ぬ。「君―・きて三年」
物事がはかどる。「うまく―・かない」
物事をする。「前の方法で―・くことにする」
10 気持ちが十分満足する。「納得が―・く」
11 年をとる。成長する。「年の―・かない子供」
12 嫁に行く。とつぐ。「末娘も嫁に―・く年ごろになった」
13 (「いく」の形で)俗に、性交時の快感絶頂に達する。
14補助動詞動作の継続・進行の意を表す。「やせて―・く」
[可能]ゆける
[補説]「いく」の語形も上代からみられ、平安時代以降は「ゆく」と併用される。「ゆく」「いく」はほとんど意味は同じであるが、古くは「ゆく」のほうがより広く使われ、特に訓点資料和歌(「生く」との掛け詞の場合を除き)では、ほとんどすべてが「ゆく」である。現在では「ゆく」に比べて「いく」のほうが話し言葉的な感じをもち、したがって、「過ぎ行く」「散り行く」など、文章語的な語の場合には「ゆく」となるのが普通である。なお、「ゆきて」のイ音便形「ゆいて」も用いられたが、現在は一般的でなく、促音便形は「ゆく」のほうは用いられず、「いく」を用いて「いって」「いった」となる。
[下接句]あとへも先へも行かぬ裏の裏を行くで行く千万人といえどもわれかん天馬空を行く得心が行く年が行くはかが行く人の一生は重荷を負うて遠き道を行くがごと一筋縄では行かない目が行く
[類語](1)(2向かう赴く出向く出かける足を運ぶ通る尊敬いらっしゃるおいでになる・おでかけになる・おでましになる謙譲参る参ずる伺う参上する/(7亡くなる没する果てるくたばるみまかる瞑する死ぬ死する眠るたおれる事切れる先立つ旅立つ死去する死亡する死没する物故する絶命する絶息する永眠する瞑目めいもくする逝去せいきょする長逝ちょうせいする永逝えいせいする他界する昇天する往生おうじょうする落命する急逝きゅうせいする急死する頓死とんしする横死する憤死する夭折ようせつする夭逝ようせいする息を引き取る冷たくなるえなくなる世を去る帰らぬ人となる不帰の客となる死出の旅に出る亡き数に入る鬼籍に入る幽明さかいことにする黄泉こうせんの客となる命を落とす人死に物化まか絶え入る消え入るはかなくなる絶え果てる空しくなる仏になる朽ち果てる失命夭死臨終ぽっくりころり突然死即死

い・く【行く】

[動カ五(四)]ゆく

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