朝日日本歴史人物事典 「行観」の解説
行観
生年:長和2(1013)
平安中期の天台宗の僧。小一条院敦明の子。園城寺長吏行尊の叔父。錦織庄(滋賀県大津市)の尊勝院に住み,錦織僧正と称される。定基に従って園城寺に入り,行円から灌頂を受ける。永承3(1048)年に法眼に叙せられ,のちに僧正となったが,延久2(1070)年に辞職した。源頼義,義家父子の帰依を受け,頼義は錦織山に八幡宮を祀り,行観は盲人であった義家の娘の目を開かせたという。また義家の弟の義光も園城寺の周辺に住んで新羅三郎と称した。弟子に良意がいる。<参考文献>柳田暹暎「錦織僧正行観について」(『園城寺』27号)
(岡野浩二)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報