…江戸時代に江戸・大坂などの大都市の町人居住地で,表通りに面していない路地裏に建てられた小商人・職人・日雇いなど下層庶民の借家住居のこと。多くは長屋建てであったので裏長屋とも呼ばれる。江戸町人地の場合,基本的な町割りは,京間で60間四方の街区のまん中に,会所地という20間四方の空地をとり,街路に面した奥行き20間の部分を間口5~6間の短冊形に割って屋敷地とするものである。…
… 町人の住居も,比較的上層町人の町家以外は長屋が多い。なかでも江戸,大坂など人口の密集した都市では,個々の町屋敷内の表通りに面していない裏側に建てられた〈裏長屋〉が数の上でも多かった。これは〈裏店(うらだな)〉とも呼ばれ,その住人は大工,左官,桶職などの職人や棒手振(ぼてふり)と呼ばれる天秤棒をかついで魚や野菜を売り歩く小商人,さらに鳶(とび)や其日稼(そのひかせぎ)の者と呼ばれた日雇など,さまざまな都市下層庶民であった。…
…おおいのない土地・地面のこと。また家と家との間の狭い道,敷地内に設けられた狭い通路,のことであるが,山梨県南巨摩郡,愛知県北設楽郡,飛驒の民家では屋内の土間,北陸,北信,奥羽地方の民家では庭,京都では町屋内の庭園,東北・北陸地方では庭園,大阪府,和歌山県,香川県の民家では裏木戸門,関西地方で路地の奥にある裏長屋を意味する。いっぽう茶道では茶室(座敷)に至る通路が,庭園として整備されたのちも露地と呼ばれる。…
※「裏長屋」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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