複方ヨードグリセリン(読み)ふくほうヨードグリセリン(英語表記)compound iodine glycerine

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「複方ヨードグリセリン」の意味・わかりやすい解説

複方ヨードグリセリン
ふくほうヨードグリセリン
compound iodine glycerine

ルゴール液ともいう。外用液剤。本来ヨウ素5%,ヨウ化カリウム 10%の水溶液である。ヨウ素は水に不溶のため,溶解補助およびヨウ素酸化防止の目的でヨウ化カリウムを加えている。一般には刺激緩和の目的でグリセリンを入れたものをルゴール液と称しているが,これは正しくはマンズル液であり,本来のものとは異なる。咽喉炎,扁桃炎などの場合に局所に塗布し,ヨウ素の殺菌作用に期待する。大量を用いると吐き気嘔吐が起る。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の複方ヨードグリセリンの言及

【殺菌剤】より

…このほかヨウ素の殺菌作用,硫酸亜鉛の殺菌収斂(しゆうれん)作用,グリセリンの局所刺激緩和作用などを利用した合剤である歯科用ヨード・グリセリンがあり,根管治療や歯肉炎などに用いられている。またルゴール液を改良した複方ヨード・グリセリン(ザイフェルト液)や,表皮で増殖する糸状菌に直接作用して殺菌するだけでなく,増殖部位を剝離(はくり)したり溶解したりする薬剤として,ヨード・サリチル酸・フェノール精などが考案され,家庭でも用いられる。(4)アルコール類 以上の薬剤よりいっそう古くから経験上使われてきた殺菌剤は,洋の東西を問わず,アルコールであろう。…

【ルゴール液】より

…日本薬局方名は複方ヨード・グリセリン。1830年ころルゴールJean G.A.Lugol(1786‐1851)が考案したためこの名があるが,当時のルゴール液はヨウ素とヨウ化カリウムだけを含む水溶液であった。…

※「複方ヨードグリセリン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android