褌脱(読み)こだつ

改訂新版 世界大百科事典 「褌脱」の意味・わかりやすい解説

褌脱 (こだつ)

雅楽管絃曲名。褌脱という名のつく雅楽曲には,《剣気褌脱》《輪鼓褌脱》《曹娘(そうろう)褌脱》《補臨褌脱》の4曲の名が残されているが,現在演奏されるのは初めの2曲。褌脱というのは,舞振りの名称とも散楽の一つとも伝えられる。いずれも大陸から伝来した曲とされ,もともとは舞があったらしいが,現在は舞は絶え,管絃曲としてのみ演奏する。《剣気褌脱》は剣器褌脱とも書かれ,剣器をもてあそぶ遊戯の伴奏曲であったらしい。相撲節会すまいのせちえ)に演奏されたという記録がある。唐楽,盤渉(ばんしき)調,早四拍子,拍子15の小曲。打物は羯鼓(かつこ)を用いず太鼓と鉦鼓のみという説もある。《輪鼓褌脱》は臨胡褌脱,臨湖渾脱とも書き,輪鼓(りゆうご)という鼓の形をしたものを糸のついた2本の棒で操る遊戯の伴奏曲とされる。唐楽,太食(たいしき)調,早只四拍子,拍子23の小曲。《曹娘褌脱》は曹娘渾脱とも書かれ,盤渉調で序と破があったとされるが詳しいことは伝えられていない。壱越(いちこつ)調の《補臨褌脱》も同様に詳しくはわからない。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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