デジタル大辞泉
「鉦鼓」の意味・読み・例文・類語
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しょう‐こシャウ‥【鉦鼓】
- 〘 名詞 〙 ( 「しょうご」とも )
- ① いくさで、合図などに用いるたたきがねと太鼓。
- [初出の実例]「陣二列鼓吹騎兵一。元会之日。用二鉦鼓一自レ是始矣」(出典:続日本紀‐霊亀元年(715)正月甲申)
- [その他の文献]〔漢書‐東方朔伝〕
- ② 雅楽に使う打楽器の一つ。青銅または黄銅製の皿形のもので、釣枠(つりわく)につるし二本の桴(ばち)で打つ。野外舞楽用の大鉦鼓(おおしょうご)、管弦の演奏・屋内舞楽用の釣鉦鼓(つりしょうご)、行進(道楽(みちがく))用の荷鉦鼓(にないしょうご)の三種がある。通常、釣鉦鼓をさし、鼓面直径約一五センチメートル。〔十巻本和名抄(934頃)〕
鉦鼓②〈楽家録〉
- [初出の実例]「稲子磨(いなごまろ)賞(め)で拍子(ほうし)付く、さて蟋蟀は、鉦この鉦このよき上手」(出典:梁塵秘抄(1179頃)二)
- ③ 仏家で、勤行のときなどに打ちならす円形青銅製のたたきがね。台や首につるしたり、台座に乗せたりして用いる。
- [初出の実例]「其の南に大皷・鉦皷各二を㽵(かざ)り立て」(出典:今昔物語集(1120頃か)一二)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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鉦鼓 (しょうこ)
雅楽の打楽器。〈しょうご〉ともいう。皿型でシンチュウまたは青銅製。架台につるし,両手にもった各1本の木桴(きばち)で凹面を打つ。演奏の場によって次の3種を使い分ける。管絃および小規模の舞楽用の釣(つり)鉦鼓(直径約15cm),舞楽用の大(おお)鉦鼓(直径約37cm),行進用の荷(にない)鉦鼓(直径約24cm)がある。打法に2種あり,片手で打つのを金,両手で打つのを
と記し〈ききん〉または〈ちちん〉と称する。
は二つの桴を同時に打つのでなく,左手を少し先に打つ。打音は楽節の区切り目を示す。
執筆者:奥山 けい子
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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普及版 字通
「鉦鼓」の読み・字形・画数・意味
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鉦鼓【しょうこ】
日本の雅楽の金属製打楽器。〈しょうご〉とも。摺り鉦(すりがね)と同種の皿(さら)形で,架台につるし,その内側を両手に持った2本の長い桴(ばち)で打つ。3種あり,火炎形の架台につるす大鉦鼓は舞楽に,小さい架台の釣鉦鼓は管弦や小舞楽に,荷(にない)鉦鼓は行進用に使われる。
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鉦鼓
しょうこ
東アジアの平(たいら)ゴング系体鳴楽器。「しょうご」ともよぶ。中国・朝鮮での事情は不明であるが、日本では雅楽や仏式において使用されている。円形ないし火炎形の枠の中につり下げた青銅または黄銅製皿型の容器の内側を、水牛角(つの)製の珠(たま)のついた棒の桴(ばち)で摺(す)るようにして打ち鳴らす。その澄んだ音は、音楽的および儀式的時間のくぎりを明示するのに適している。雅楽では、舞楽の伴奏のための大鉦鼓、管絃(かんげん)のための釣鉦鼓、行道のための荷(にない)鉦鼓がある。
[山口 修]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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鉦鼓
しょうこ
日本の体鳴楽器の一つ。「しょうご」ともいう。雅楽に用いられる。釣鉦鼓,大鉦鼓,荷鉦鼓の3種があり,釣鉦鼓は管弦に,大鉦鼓は舞楽に,荷鉦鼓は道楽に使用する。青銅製で皿型をしており,これを木製の架に紐で吊り,2本の長い桴 (ばち) で打鳴らす。奏法としては片手で一個打つ「金」と両手で少しずらして打つ「金金 (ききん) 」がある。桴は皿の内側に当てて打つ。舞楽用の大鉦鼓は,大太鼓と同じように,左方,右方にそれぞれ固有のものがあり,架の装飾が違うが,基本的な構造はまったく同一である。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の鉦鼓の言及
【雅楽】より
…神道系祭式芸能(大和歌を除く)では[和琴](わごん)が用いられる。〈打ちもの〉には鼓類,鉦鼓類,太鼓類の3種があり,鼓類に[羯鼓](かつこ)(唐楽の新楽で用いる),[壱鼓](唐楽の古楽などで用いる),[三ノ鼓](高麗楽),鉦鼓類に釣鉦鼓(管絃),大鉦鼓(舞楽),太鼓類に楽太鼓(がくだいこ)(管絃),大太鼓(だだいこ)(舞楽)の別がある。大太鼓はまた特に壮麗な火焰飾をもつことから,火焰太鼓ともよばれる。…
※「鉦鼓」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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