襖子(読み)あおし

精選版 日本国語大辞典 「襖子」の意味・読み・例文・類語

あお‐し アヲ‥【襖子】

〘名〙
① =あお(襖)
西大寺資財流記帳‐宝亀一一年(780)「襖子四領」
童女の着る汗衫(かざみ)に似た服。狩襖(かりあお)より転じたものであろう。
※宇津保(970‐999頃)春日詣「よき童四人、あをし、あはせの袴、濃き衵(あこめ)など著て出で入り」

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デジタル大辞泉 「襖子」の意味・読み・例文・類語

あお‐し〔アヲ‐〕【×襖子】

あお3」に同じ。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の襖子の言及

【襖】より

…衣服の一種(図)。古く中国では襖子と書き,日本ではこれを〈あお〉〈あおし〉とよんでいた(《和名抄》)。中国では,これを古代北方民族の胡服(こふく)として用いなかったが,6世紀後半の北斉から一般に用いられるようになり,袷(あわせ)の上衣として,袴(こ)とともに着用した。…

【小袖】より

…しかし身分の相違を強調するため盤領(あげくび)の表着を服制とした貴族社会では,気温の調節のためこれを下着として利用した。平安中期ころまで(あお)という名は,庶民では表着の労働服をさしたが,貴族の間では表に着る脇の開いた服で,庶民の襖にあたるものはむしろ下着の襖子(あおし)であった。また同系統の(あこめ)も貴族社会では服制化したが,それは庶民の襖の装飾化したものである。…

※「襖子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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