朝日日本歴史人物事典 「西村道冶」の解説
西村道冶
江戸中期の釜師。千家出入りの釜師で,千宗左(6代,原叟覚々斎,1720没)時代に活躍した。京西村家の3代目。通称は弥市郎,のちに弥三右衛門といい,名は孝知,道弥,次いで道冶と号した。作風は穏健でかつ華麗な京風と評されており,鳳凰風炉,百佗釜,少庵巴釜などの作がある。また元禄13(1700)年に『釜師之由緒』を著している。これは古今の茶の湯釜の作者について論及したもので,釜師の系譜の研究の基本的資料となっているが,のちに写本された際の誤記が多い。<参考文献>香取秀貞『新撰茶之湯釜図録』
(原田一敏)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報