西浦遺跡(読み)にしうらいせき

日本歴史地名大系 「西浦遺跡」の解説

西浦遺跡
にしうらいせき

[現在地名]大口町余野 西浦

標高二八メートルの扇状地中央部に位置し、砂質土層の堆積する地形側である。昭和二五年(一九五〇)発見された縄文晩期の遺跡で、晩期最末期の樫王式とよばれる時期の条痕文土器のほか、短冊形打製石斧が出土している。この時期は尾張平野南部で稲作農耕文化が根を下ろした弥生前期の段階で、尾張北部に在来の縄文文化の伝統を残す当遺跡の存在は文化伝播を探るうえで貴重。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android