西礀子曇(読み)せいけんしどん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「西礀子曇」の意味・わかりやすい解説

西礀子曇
せいけんしどん
(1249―1306)

「せいかんしどん」ともいう。鎌倉時代に来日した臨済(りんざい)宗の僧。中国、台州浙江(せっこう)省)の人。俗姓は黄(こう)氏。石帆惟衍(しっぱんいえん)の法を嗣(つ)ぎ、1271年(文永8)北条時宗(ほうじょうときむね)の招きで来朝した。1278年(弘安1)元に帰り、天童(てんどう)山の環渓惟一(かんけいいいつ)(1202―1281)に参じ、台州の紫巌寺(しがんじ)に住したのち、径山(きんざん)の雲峰妙高(うんぽうみょうこう)(1219―1293)に参じた。1299年(正安1)一山一寧(いっさんいちねい)に従ってふたたび来朝した。北条貞時(さだとき)は弟子の礼をとり、鎌倉の円覚寺(えんがくじ)、建長寺に歴住せしめた。のち請われて後宇多(ごうだ)上皇に法を説いたが、1306年(徳治1)10月には正観寺(しょうかんじ)に退居し、同月28日示寂。建長寺伝燈庵(でんとうあん)に葬られ、大通禅師(だいつうぜんじ)と諡(おくりな)された。

[中尾良信 2017年2月16日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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