日本大百科全書(ニッポニカ) 「台州」の意味・わかりやすい解説
台州
だいしゅう / タイチョウ
中国、浙江(せっこう)省東部の地級市。東シナ海に面し、台州列島、東磯(とうき)列島など島嶼(とうしょ)群を含む。3市轄区、三門(さんもん)、天台(てんだい)など3県を管轄し、臨海(りんかい)など3県級市の管轄代行を行う(2019年時点)。人口583万1442(2010)。漢代は揚州(ようしゅう)に属し、唐代に台州が置かれた。中華人民共和国成立後の1949年に台州専区が設置され、1978年台州地区となり、1994年に地級市となった。
スイカやミカンの栽培で知られるほか、水産業も盛ん。自動車部品、衣料品、医薬品などの工場が立地する。市北東部の三門県には三門原子力発電所があり、2018年に営業運転を開始した。甬台温(ようだいおん)線(寧波(ニンポー)―台州―温州)が通じ、同市を終点とする金台線(金華(きんか)―台州)が建設中である。沿岸部には港湾施設が整備されており、市中心部から南約5.5キロメートルには台州路橋空港がある。
市北部の天台県にある天台山には、天台宗総本山の国清寺(こくせいじ)があり、日本天台宗の開祖である最澄(さいちょう)をはじめ、円珍(えんちん)、成尋(じょうじん)、栄西(えいさい)など、日本の入唐僧、入宋僧の多くが訪れた。
[周 俊 2019年3月20日]