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規範的責任論 キハンテキセキニンロン

デジタル大辞泉の解説

きはんてき‐せきにんろん【規範的責任論】

違法行為をした者の刑事責任本質を、非難可能性という規範的なものに求める法理論。故意過失などの心理的要素を重視する立場に対するもの。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

大辞林 第三版の解説

きはんてきせきにんろん【規範的責任論】

刑事責任は規範に基づいた評価であって、違法な行為を行なったことについて、その行為者を非難できるということであるとする考え方。期待可能性の理論と結びついて成立した。 → 期待可能性

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

世界大百科事典内の規範的責任論の言及

【期待可能性】より

…犯罪行為時において行為者に適法行為を期待しうることをいう。期待可能性は,刑事責任の本質を法的あるいは道義的非難可能性に求める規範的責任論における中核的概念である。なぜなら,刑法とは,犯罪行為に対して刑罰という制裁を反対動機として告知することにより,人間の行動を心理的にコントロールするものであるから,そこでは,行為者が行為時において,適法行為へと意思決定しうる可能性を有していたことが前提となるからである。…

【責任】より

…これらに対し,個々の行為と意思とは行為者の犯罪的性格の危険性の徴表にすぎず,責任とは性格の危険性のもつ社会的意味自体であって,非難の契機を有さないとする性格責任論,犯罪行為とは行為者の人格の現実化であり,責任非難も行為だけを切り離して論ずることはできず,行為の背後にある人格環境にまで及ばねばならないとし,主体的な人格形成についても行為者に非難を加えることができるとする人格(形成)責任論等も主張されているが,今日支持者は少ない。 さて,上では責任を非難可能性,すなわち規範的価値判断それ自体として述べたが,規範的責任論と呼ばれるこのような考え方が当初から存在したわけではない。犯罪を客観的要素と主観的要素とに分け,前者を違法性,後者を責任と考える古典的な刑法体系においては,行為者が自己の行った外部的な違法行為について,これを認識し,または認識しえたという心理的な関連自体,あるいは,故意・過失という心理的要素の存在自体が責任と考えられていたのである。…

※「規範的責任論」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

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