親蚕(読み)しんさん

普及版 字通 「親蚕」の読み・字形・画数・意味

【親蚕】しんさん

皇后がみずから養蚕する古礼。〔穀梁伝、桓十四年〕天子して、以て粢(しせい)を共(供)し、王后親して、以て祭を共す。

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出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内の親蚕の言及

【勧農】より

…農業技術の指導・普及,水利・農地の開発,農時における勤惰の点検,種子・農器・農地の支給,篤農家(力田)の表彰・優遇など,勧農事業の内容は多岐にわたるが,唐・宋以後,農民の土地離脱現象がはげしくなると,勧農使を地方に派遣して実情査察を行った。古くから行われた宮中の籍田,親蚕の儀式も勧農の意味あいをもち,宋~清時代《耕織図》がえがかれたのも同じ意味をもっている。【谷川 道雄】
【イスラム社会】
 イスラム社会では勧農をイマーラ‘imāraといい,これは元来居住や耕作を良好な状態にすることを意味した。…

【皇后】より

…皇帝と皇后および妃嬪たちによって営まれる家庭生活は,国政一般に対しては私生活であるが,帝王の家庭として特別の意味をもつ。たとえば皇帝が毎春行う籍田の礼は天下の民に対して勧農の意味をもつが,皇后もこれに対応して毎春親蚕(桑つみと養蚕の儀礼)を行った。皇后のこのような位置と役割は多分に家族道徳を重んずる儒家思想によるもので,皇后は婦徳にすぐれ才色兼備たることを要求された。…

【藉田(籍田)】より

…《周礼(しゆらい)》や《礼記(らいき)》などにすでにその記事が認められるが,前漢文帝の治世以後実施されるに至った。新石器時代以来の社会通念である〈夫耕婦績〉にのっとって,皇帝が藉田を,皇后が親桑(親蚕とも言う)の儀礼を分担する。皇帝と皇后とは夫婦として性別による分業を示し,天下の匹夫匹婦に農桑に努むべきことを教導した。…

※「親蚕」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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