朝日日本歴史人物事典 「角屋甚太郎」の解説
角屋甚太郎
江戸前期,紀州(和歌山県)日高郡印南浦の人。通称紀州甚太郎。熊野式の鰹溜釣り法と燻乾法鰹節製法を土佐国清水浦に伝え,同国鰹産業隆盛の基を開いた。印南浦の角屋漁船団主として日向浦に出漁中,延宝(1673~81)のころ清水浦に漂着したのが縁となったという。なお改良された燻乾法は印南・土佐で秘伝とされた。2代甚太郎も土佐国へ出漁,鰹節製法の改良に努めたことは「智究願海居士」の法名にも明らかである。<参考文献>要海正夫『近世における印南漁民の活躍史』,宮下章『鰹節』
(宮下章)
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