言い甲斐無い(読み)いいがいない

精選版 日本国語大辞典 「言い甲斐無い」の意味・読み・例文・類語

いいがい‐な・いいひがひ‥【言甲斐無】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]いひがひな・し 〘 形容詞ク活用 〙 ( 「いいかいない」「ゆいかいない」とも )
  2. いうかいなし(言甲斐無)
    1. [初出の実例]「物語こそ悪しう書きなしつればいひかひなく」(出典:三巻本一本枕(10C終)一八八)
  3. いうかいなし(言甲斐無)(ハ)
    1. [初出の実例]「今はご兄弟日月のごとくにましますべきを、言ひかひなき者の讒奏(ざんそお)により、おん中違はせ給ふこと」(出典謡曲・舟弁慶(1516頃))
  4. いうかいなし(言甲斐無)(ニ)
    1. [初出の実例]「いかなるさきの世のちぎりにて、いひがひなくてさし出けるより、人ににず心憂きありさまにて」(出典:苔の衣(1271頃)四)

言い甲斐無いの補助注記

中世以後用いた語で、平安時代は「いふかひなし」を用いた。平曲、謡曲では「ユイカイナシ」と発音する。

言い甲斐無いの派生語

いいがいな‐げ
  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙

言い甲斐無いの派生語

いいがいな‐さ
  1. 〘 名詞 〙

ゆいかい‐な・いゆひかひ‥【言甲斐無】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]ゆひかひな・し 〘 形容詞ク活用 〙 ( 「いいかいない(言甲斐無)」の変化した語。「ゆいがいない」とも ) 言うだけの価値がない。言ってもかいがない。また、ふがいない。意気地がない。
    1. [初出の実例]「ゆひかひなくうたれんことこそ口惜けれ」(出典:金刀比羅本平治(1220頃か)中)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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