意気地(読み)いくじ

精選版 日本国語大辞典 「意気地」の意味・読み・例文・類語

いく‐じ ‥ヂ【意気地】

〘名〙 (「いきじ(意気地)」の変化した語) 物事をなしとげようとする気力態度意地。心の張り。→いくじないいくじなし
※雑俳・柳多留拾遺(1801)巻二「俄雨いくぢのあるは折てはき」

いき‐じ ‥ヂ【意気地】

〘名〙 自分意志面目などをどこまでも守り通そうとする気持。いくじ。いじ
評判記・剥野老(1662)序「君をこひ茶のいきぢもしらで」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「意気地」の意味・読み・例文・類語

いき‐じ〔‐ヂ〕【意気地】

自分自身他人に対する面目から、自分の意志をあくまで通そうとする気構え。意地。いくじ。「意気地を立てる」
[類語]ガッツ気力根性精神力甲斐性意力

いく‐じ〔‐ヂ〕【意気地】

《「いきじ」の音変化》事をやりとげようとする気力。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の意気地の言及

【いき】より

…本来は〈意気〉の漢字があてられるが,後には〈粋〉とも書かれて,より美的な理念となった。〈意気〉は〈意気地〉でもあり,人間が事に処してきっぱりとした決断を示す精神作用を称美したものであるが,江戸初期から遊里などで男女の精神的清潔さを称美する言葉として用いられ始め,以後“粋”や“通”といった理念の中の精神面を形成する重要な要素として存在し続け,江戸後期にいたって,いやみがなく,あだっぽい色気というような意味で用いられて流行語となった。とくに人情本の女性の表現に用いられるのがその代表的な例で,その内容については九鬼(くき)周造の《`いき’の構造》(1930)に行き届いた考察がある。…

※「意気地」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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