訥(漢字)

普及版 字通 「訥(漢字)」の読み・字形・画数・意味


11画

(異体字)吶
7画

[字音] トツ・ドツ
[字訓] いいなやむ・どもる

[説文解字]

[字形] 形声
声符は(内)(ない)。吶の正字は(とつ)に作り、会意。訥の従うの省形。〔説文〕三上に「言ふこときなり」とし、字を会意とする。吶・咄(とつ)などみな擬声語で、訥も同じ。〔論語、子路〕「剛毅木訥(ぼくとつ)」、また〔論語、里仁〕に、「君子は言に訥」など、訥を美徳とする考えかたがあった。

[訓義]
1. いいなやむ、口がおもい。
2. どもる、ゆっくりいう。
3. おそい、おろか。

[古辞書の訓]
名義抄〕訥 コトドモリ・オソシ・オボメク・ニブシ 〔字鏡集〕訥 オボメタリ・コトドモリ・ニブシ・オソシ・ナイガシロ・モノイハズ

[語系]
訥nut、咄tutは声近く、舌をうつようにゆっくりいう意。出thjiutは抵抗を排して出る意で、同系の語と思われる。*語彙は吶字条参照。

[熟語]
訥言訥口訥渋訥舌・訥直訥弁
[下接語]
寡訥・口訥質訥・拙訥・弁訥・木訥・樸訥

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報