精選版 日本国語大辞典 「訳無」の意味・読み・例文・類語
わけ‐なし【訳無】
〘名〙 (形動)
① 無意味なこと。わけのわからないさま。また、道理を理解しないさま。たわいのないさま。
※雑俳・伊勢冠付(1772‐1817)「妓の母親・わけなしに悦んで居」
② 手間がかからないこと。何でもないこと。容易なこと。また、そのさま。
※大新板おどけ粋言葉(1830‐44頃)「あいさつのない喧嘩で、わけなし」
③ 情事や色恋沙汰がないこと。
※滑稽本・戯場粋言幕の外(1806)上「振分髪の頃なれば、さらに訳(ワケ)なしさ」
わっけ‐も‐な・い【訳無】
〘形口〙 (「わけもない」の変化した語)
① とほうもない。とんでもない。
※浄瑠璃・狭夜衣鴛鴦剣翅(1739)二「はれわっけもないおかへりの、ところをせめてしらんとて」
② くだらない。つまらない。たわいもない。
※浄瑠璃・夏祭浪花鑑(1745)四「アアわっけもない。そんな事云ぬ物」
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