詠歌一体(読み)エイガイッテイ

デジタル大辞泉 「詠歌一体」の意味・読み・例文・類語

えいがいってい【詠歌一体】

鎌倉初期の歌論書。1巻。藤原為家著。弘長3年(1263)または文永7年(1270)ころ成立か。和歌実践論・本質論などを説き、平淡美を主張したもの。八雲口伝やくもくでんえいがいったい。えいがのいってい。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「詠歌一体」の意味・読み・例文・類語

えいがいったい【詠歌一体】

  1. ( 正しくは「えいがのいってい」か ) 鎌倉初期の歌論書。一巻。藤原為家著。弘長(一二六一‐六四)頃の成立か。和歌に関する実践論、本質論などを例を引きつつ説いたもの。平淡美を重んじる。八雲口伝。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の詠歌一体の言及

【歌論】より

…《後鳥羽院御口伝(ごくでん)》,順徳院《八雲御抄(やくもみしよう)》は,俊成,定家の論を踏まえつつ,歌人論,作品論にあらたなる展開を示している点で注目され,鴨長明《無名抄(むみようしよう)》も,〈幽玄〉に言及している。 その後,定家の子の為家の《詠歌一体(えいがいつてい)》(偽書説もある)が平淡美を主唱し,京極為兼の《為兼卿和歌抄》が〈心のままに詞の匂ひゆく〉表現をよしとして,いっそうの心の重視を説いた。《為兼卿和歌抄》は《玉葉和歌集》の新風の理論的背景を知るうえで重要である。…

※「詠歌一体」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、和歌山県串本町の民間発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げる。同社は契約から打ち上げまでの期間で世界最短を目指すとし、将来的には...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android