誤差逆伝播法(読み)ゴサギャクデンパホウ(その他表記)backpropagation

デジタル大辞泉 「誤差逆伝播法」の意味・読み・例文・類語

ごさぎゃくでんぱ‐ほう〔‐ハフ〕【誤差逆伝播法】

ニューラルネットワークの学習アルゴリズムの一。出力側の予測と正解との誤差を最小化するため、出力側から入力側に誤差を伝播させ、各層の重みづけ(パラメーター)を更新する手法。1986年、コンピューター科学者デビッド=ラメルハートとジェフリー=ヒントンらがニューラルネットワークに応用し、効率よく学習を進めることができるようになり、広く普及した。1960年代に甘利俊一が理論的な先行研究を行っていたことが知られる。計算コストの高さなどから実用上の限界が長らく課題となっていたが、データ量・計算機性能の飛躍的向上により、ディープラーニングへの適用が可能となった。バックプロパゲーション。
[補説]ヒントンはディープラーニングにつながる人工知能の研究に発展に寄与した功績により、2024年にジョン=ホップフィールドとともに、ノーベル物理学賞を受賞した。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「誤差逆伝播法」の意味・わかりやすい解説

誤差逆伝播法
ごさぎゃくでんぱほう
backpropagation

ディープラーニング(深層学習)を含む多層のニューラルネットワークにおける学習手法。

 最初に実現されたニューラルネットワークであるパーセプトロンは、入力層と出力層が直結されており、そのリンクの重みを変更することによって学習が行われていた。つまり、「正しい出力」を出すことに寄与したリンクの重みは増し、逆に「間違った出力」に寄与したリンクの重みは減らすことによって学習が可能になる。しかし、この単純なパーセプトロンで学習できる概念は単純なものに限られていた。入力層と出力層の間に隠れ層とよばれる中間層を入れることによって、多層ニューラルネットワークは原理的にはすべての概念の学習が可能になるものの、その学習(リンクの重み調整)方式は長く構築されなかった。1967年(昭和42)、この学習方式を最初に提案したのは甘利俊一(あまりしゅんいち)(1936― )である。しかし、それは残念ながら海外では認識されず、1986年になってラメルハートDavid Everett Rumelhart(1942―2011)らが再発見することになる。これが誤差逆伝播法と命名され、今日のディープラーニングに至るまで使われている。

[中島秀之 2019年8月20日]

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