請益生(読み)しょうやくせい

山川 日本史小辞典 改訂新版 「請益生」の解説

請益生
しょうやくしょう

往路と同じ遣唐使とともに帰国させる短期留学の者。すでに日本で学者としての実績と地位をもつ者に,特定の研究目的をはたさせるために派遣された。僧ならば還学(げんがく)僧・請益僧とよぶ。「養老律令」の編纂にあたった大和長岡,帰国後に「問答六巻」を献上した明法家秦大麻呂,暦の刀岐雄貞,陰陽の春苑玉成(はるそののたまなり),医の菅原梶成(かじなり)らの例がある。延喜大蔵省式によれば絁(あしぎぬ)5疋・綿40屯・布16端が支給される。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の請益生の言及

【留学】より

…このころから留学期間も一般に短くなり,最澄,空海も遣唐使とともに帰国している。留学生は一般に,学問生と学問僧に分けられ,短期の留学生は請益生・請益僧と呼ばれた。請益(しようやく)とはさらに教えを請う意で,日本でそれぞれの学業を身につけたものが,その業を深め,疑問を解決するために,短期間留学するものであった。…

※「請益生」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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