謀判（読み）ボウハン

デジタル大辞泉

ぼう‐はん【謀判】

官印や私印を偽造または盗用すること。また、その判。

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

ぼう‐はん【謀判・冒判】

1. 〘 名詞 〙 官印や私印を偽造または盗用すること。また、その印。にせ印。偽判。
   1. [初出の実例]「作皇帝璽、丞相、御史、〈略〉都尉印、皆冒判ぞ」(出典：史記抄（1477）一五)
   2. 「謀書又は謀判いたし候もの 引廻之上 獄門」(出典：徳川禁令考‐別巻・棠蔭秘鑑・亨・六二・寛保二年（1742）)

出典　精選版 日本国語大辞典

世界大百科事典（旧版）内の謀判の言及

【詐欺】より

…《公事方御定書》(1742制定)では，〈当座のかたり〉(通常の，その場かぎりのもの)は盗罪に準じて贓物（ぞうぶつ）10両以上を死罪，未満を入墨敲（たたき）とし，公儀に対するものや計画的なもの，仲間を誘い共謀して行ったものについては同1両以上を死罪，また常習的なものは贓物の高にかかわらず獄門としている。〈かたり〉の手段として一定の物の偽造･変造やその行使，官職･身分の詐称等をともなうことがあるが，《公事方御定書》には，〈謀書謀判〉(文書偽造，印章偽造)は引回しのうえ獄門，〈似せ金銀〉(通貨偽造)は引回しのうえ磔（はりつけ），〈似せ秤，似せ桝〉は引回しのうえ獄門，〈似せ朱墨〉は家財取上げ所払，〈似せ薬種〉は引回しのうえ死罪，〈似せ役〉(官名等の詐称)は死罪，〈似せ家主，五人組〉をつくって出訴するものは敲（たたき），名を替えて奉公人の請（うけ）に立つものは江戸十里四方追放などとする規定がみえる。そのほか不動産の〈二重質･二重書入（かきいれ）〉は関係者それぞれに中追放等を科し，商品の〈二重売〉は盗罪に準じて代金10両以上を死罪，未満を入墨敲とし，また新規の神事･仏事を行ったり，〈奇怪異説〉を触れて人を集めるものは所払や江戸払等に処し，〈手目（てめ）博奕〉(詐欺賭博)も通常の博奕より重く遠島とされている。…

※「謀判」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」