…周代古の遺品によると,形制は大小一定せぬが大部分はきわめて小さく,印材は銅製を主として他に金銀玉石犀象陶などがあり,印文は陽刻,陰刻ともにあり,鈕式は環鈕,壇鈕,覆斗鈕,鼻鈕,獣鈕などいろいろある。官・私印の別があり,官印は司馬,司徒,司空など,私印は名のほかに,敬,恭,鉩,王之上士などの字をあらわした〈成語印〉〈吉語印〉,人間や動物の文様を鋳出した〈肖形印〉がある。古が鑑賞の対象となったのは,清朝の乾隆時代(1736‐95)からで,歴史は比較的浅い。…
…その文字は周到な鋳造工程を経て丹精であり,章法や鈕(ちゆう)制に多種多様な意匠が見られる。その用途と性質は官印と私印とに二大別される。官印には皇帝,皇后,諸属国王,列侯から将軍,守,令,長等の璽(じ)や印章がそれに属し,身分によって金,銀,銅,玉などが使用された。…
※「私印」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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