謄写版印刷(読み)とうしゃばんいんさつ(その他表記)mimeograph

翻訳|mimeograph

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「謄写版印刷」の意味・わかりやすい解説

謄写版印刷
とうしゃばんいんさつ
mimeograph

孔版印刷一種。ガリ版印刷ともいう。特殊加工を施した紙に小孔をあけて版 (ステンシル) をつくり,枠に張ったスクリーン裏面にステンシルを取付けて,着肉ローラを転がして印刷する。印刷には電動式の輪転機も開発されている。 19世紀末に T.エジソンが発明したといわれるが,日本では,1894年堀井新治郎がろう引きした原紙やすりの上に置き鉄筆で書写してステンシルをつくる鉄筆法を開発して,謄写版と名づけた。製版法にはほかに毛筆法,タイプ法,電子法などがあるが,現在最も多用されているのはタイプ法で,これは油性被膜をもつ原紙にタイプライタで印字し,印圧で被膜を除去してステンシルをつくる。毛筆法は,多孔質の紙にゼラチンをコートして弱酸液で書写し,膜を溶解させて製版する方法,電子法は,カーボンをコートした原紙を電子的に焼切って製版する方法である。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android