20世紀日本人名事典 「谷角日沙春」の解説
谷角 日沙春
タニカド ヒサハル
大正・昭和期の日本画家
- 生年
- 明治26(1893)年8月22日
- 没年
- 昭和46(1971)年3月21日
- 出生地
- 兵庫県美方郡諸寄
- 本名
- 谷角 久治
- 経歴
- 大正2年逗留中の京都の画家立脇泰山に学ぶが、3年京都に出て菊池契月に師事する。7年文展に初入選、9年上京して吉原に住み、遊女をモデルとした作品を制作。同年帝展に「髪すく女」が入選、その後も「淡日さす窓と女」「遊女の絵」などを出品。12年関東大震災を機に東京を離れ、13年契月塾に戻る。昭和8年帝展で「洛北の佳人」が特選を受賞。新文展、日展等にも出品したが、のち日展を離れ後援者の支援を受け制作を続行、36年頃より仏画へと傾倒していった。作品は大正期特有の異風な傾向から、師契月ゆずりの端正な表現へと移り、その方向は仏画の世界にも生かされていた。作品の多くは大阪日本橋の谷口美術館に所蔵。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報