山川 日本史小辞典 改訂新版 「賀名生行宮」の解説
賀名生行宮
あのうのあんぐう
南北朝期,現在の奈良県五條市におかれた南朝の仮宮(かりみや)。旧地名は穴生(あのう)。1336年(建武3・延元元)12月,後醍醐天皇は幽閉地の京都花山院から当地に走り,吉野山へ移った。また後村上天皇も48年(貞和4・正平3)1月,高師直(こうのもろなお)に攻められて吉野から当地へ逃れ,52年(文和元・正平7)2月の河内国東条入りまで滞在。5月,男山から再び当地に入り,54年10月の河内国天野入りまで滞在した。両天皇の御座所は和田集落の華蔵院跡・堀家住宅,黒淵集落の崇福寺跡などの伝承があるが明らかではない。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報