赤壁の賦(読み)せきへきのふ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「赤壁の賦」の意味・わかりやすい解説

赤壁の賦
せきへきのふ

中国、宋(そう)代の詩人蘇軾(そしょく)(東坡(とうば))作の韻文。1082年、蘇軾が流罪地黄州(こうしゅう)(湖北省黄岡(こうこう)県)の長江に舟を浮かべて赤壁に遊び、それを漢代以来の韻文の一種である賦にうたった「前赤壁の賦」と「後(こう)赤壁の賦」をあわせての称(前編のみをさすこともある)。前編は旧暦7月16日の夜遊を叙情豊かにうたい、そこに人間存在についての深い思索と江山風月の美を享受しうる喜びが表現されている。蘇軾の真筆が伝わっている。後編は冬10月十五夜の遊びを遊記のごとく叙して、天地の間における人間存在の深みに触れている。ともに広く愛唱されてきた蘇軾の代表作である。

[山本和義]

『小川環樹・山本和義選・訳『蘇東坡詩選』(岩波文庫)』

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旺文社世界史事典 三訂版 「赤壁の賦」の解説

赤壁の賦
せきへきのふ

宋代の文豪蘇軾 (そしよく) (東坡 (とうば) )が赤壁(湖北省黄岡県)に遊んだときの賦(韻文)
1082年の作。前赤壁の賦,後赤壁の賦の2つがある。

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