化学辞典 第2版 「超励起状態」の解説
超励起状態
チョウレイキジョウタイ
superexcited state
原子や分子がその最低のイオン化電位以上のエネルギーをもちながら,イオン化せずに中性の状態にあるものをいい,このような励起過程を超励起という.この状態にある原子,分子の寿命はきわめて短く,みずからイオン化して電子を放出することができるので,自己イオン化状態ということもある.超励起状態にある分子は,原子の場合とは異なり,自己イオン化のみでなく,このほかに結合切断による中性断片生成などの過程がある.超励起状態は最低のイオン化電位以上のエネルギーをもった光あるいは高エネルギー電子と原子,分子との相互作用によって生じるが,励起希ガス原子からの励起エネルギー移動によっても生じる.放射線物理あるいは化学においても,その重要性が論じられている.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報