超音波増幅(読み)ちょうおんぱぞうふく(英語表記)ultrasonic amplification

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「超音波増幅」の意味・わかりやすい解説

超音波増幅
ちょうおんぱぞうふく
ultrasonic amplification

固体を伝播する超音波を電子流と相互作用させて増幅すること。直流電界で加速された電子の速度が超音波の伝播速度より少し速くなると増幅現象が現れる。バルク中の超音波増幅は硫化カドミウムゲルマニウムテルルなどで見出されている。表面波の増幅は硫化カドミウムでも見出されているが,表面波をニオブ酸リチウムなどの圧電性の強く現れる強誘電体表面を伝播させ,その上にはりつけた半導体中の電子を加速して表面波を増幅する方法も用いられている。このときの半導体としてシリコン,ゲルマニウム,ヒ化ガリウムインジウムアンチモンなどが使用された例がある。超音波と電子の相互作用は,シリコンやゲルマニウムでは変形ポテンシャルを介したものであり,上述の他の半導体では圧電性を介している。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android