精選版 日本国語大辞典 「辞む」の意味・読み・例文・類語 いな‐・む【辞・否】 [ 1 ] 〘 他動詞 マ行上二段活用 〙 ( 「いなぶ」の変化した語 ) 承知しないということを表わす。断る。いやがる。辞退する。[初出の実例]「親の宣ふことを、ひたぶるにいなみ申さんことのいとほしさに」(出典:島原本竹取(9C末‐10C初))[ 2 ] 〘 他動詞 マ行四段活用 〙 [ 一 ]に同じ。[初出の実例]「只常人の上をもて、年を論じて云々と、推辞(イナム)は要なき事にこそ」(出典:読本・南総里見八犬伝(1814‐42)九)辞むの補助注記「いなぶ」の場合は、古くは上二段の例が圧倒的に多く、したがって、「いなぶ」から「いなむ」への交替とほぼ並行して、「いなむ」の活用も上二段から四段へと移ってきたものと考えられる。これによって[ 一 ]に挙げた島原本竹取物語の例は、上二段と推定した。 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例