追いはぎ(読み)おいはぎ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「追いはぎ」の意味・わかりやすい解説

追いはぎ
おいはぎ

通行人を脅して衣類や持ち物などを奪う行為、またその人をさす。古くは追落(おいおと)し、引きはぎともいい、また『宇治拾遺(うじしゅうい)物語』28の「いかなる者ぞと問へば……ひはぎに候」にみるようにヒハギともいった。江戸幕府は『公事方御定書(くじかたおさだめがき)』で「追いはぎ」と「追落し」とを区別したが、殺人強盗、傷害強盗とともに強盗罪のなかに組み入れている。追いはぎは、通行人を捕らえて自由を奪い金品を強奪して衣類をはぐことをいい、刑罰には獄門を適用した。追落しは、通行人を脅して突き倒し、あるいは逃げるのを追いかけて金品を奪うことをいい、刑罰は一等軽い死罪であった。

稲垣史生

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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