普及版 字通 「逖」の読み・字形・画数・意味
逖
11画
(異体字)
12画
[字訓] とおい・はるか
[説文解字]
[字形] 形声
声符は狄(てき)。狄に逖遠の意がある。金文に「逖(ひつてき)」「克逖(こくてき)」のように、遠く征伐・追討する意に用いる。狄は犬牲と火とに従い、邪悪を遠く祓う儀礼を示す字であろう。〔説文〕二下に「ざくるなり」とし、古文としてを録する。には剔除(てきじよ)の意がある。〔書、牧誓〕は武王が殷の紂王を伐つときの辞で、その属する諸小侯に「逖(はる)かなり、西土の人よ」とよびかけている。〔左伝、僖二十八年〕に「王(わうとく)を逖(きうてき)せよ」とあり、王意に違うものを追放することをいう。金文の「逖(ひつてき)」に近く、本来動詞的な語である。
[訓義]
1. とおい、はるか、とおざける。
2. (てき)と通じ、うれえる。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕逖 サカル・ハルカ・トホシ/古文 トホル・サク・トホシ・サカル 〔字鏡集〕逖 トホシ・サカル・サク・スグ・サケブ・トホシ・ハルカ/ スグ・スツ・イトドシク・ヲヲシ・トモシ
[語系]
逖()thyek、・thekは声義近く、・(たく)にも遠・高遠の意がある。超thi、迢dyもその系統の語で、迢遠(ちようえん)をいう。
[熟語]
逖遠▶・逖出▶・逖成▶・逖聴▶・逖逖▶・逖聞▶・逖慕▶
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報