通信容量(読み)つうしんようりょう(その他表記)channel capacity

翻訳|channel capacity

改訂新版 世界大百科事典 「通信容量」の意味・わかりやすい解説

通信容量 (つうしんようりょう)
channel capacity

一般にある通信路で運ぶことのできる情報の最大の伝達能力をいう。実用上の通信路では,電話信号あるいはテレビ信号が何回線収容できるかによって表現することが多い。これを回線容量ともいう。このような一般的定義以外に,とくに1948年にC.E.シャノンによって確立された情報理論による通信路の能力を表す数学的定義がある。この定義に従えば,通信容量は,注目する通信路に情報理論的に整合した情報源を接続したときに達成される情報伝送速度である。単位は毎秒当り1シャノン(シャノンは情報量の単位で,慣用されているビットの正式名称)である。ある通信路の通信容量をCシャノン/sとすれば,適当な符号化を行うことにより,Cシャノン/s以下の情報伝達は,いくらでも小さな誤り率で達成することができることが証明されている。これをシャノンの第2定理,または情報理論の第2基本定理という。
情報理論
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の通信容量の言及

【符号化】より

…これらの値は,互いにトレードオフの関係にある。
[線形符号,巡回符号]
 シャノンの〈通信路符号化定理〉によれば,符号化率k/nが通信路のもつ〈通信容量〉の値(ビット誤り率pをもつ2元対称通信路の場合,それは1+plog2p+(1-p)log2(1-p)に等しい)を超えなければ,符号長nが十分大きい符号の中で,復号後の誤り確率が0となるものが存在する。このように信頼性の高い通信を実現し,しかも,符号化率が通信容量に近い値をとる理想的な符号が,半世紀にわたり探究され続けたが,その試みの中からさまざまな実用的符号が発明された。…

※「通信容量」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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