造果器(読み)ぞうかき(その他表記)carpogonium

日本大百科全書(ニッポニカ) 「造果器」の意味・わかりやすい解説

造果器
ぞうかき
carpogonium

紅藻植物卵細胞をいい、受精毛をもち、受精毛を通じて受精が行われる。ウシケノリ類では、受精した造果器自体が分割して果胞子を生ずるが、真正紅藻類では、受精した造果器上、あるいは助細胞という特殊な細胞構造を通じて果胞子体が発達し、果胞子体から果胞子が生ずる。

吉崎 誠]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の造果器の言及

【果胞子】より

…紅藻植物において,有性生殖を経て形成される胞子を果胞子と呼び,無性的に生じる胞子(四分胞子,単胞子など)と区別する。卵細胞(紅藻植物の卵細胞を特に造果器carpogoniumという)が精子と合体して生じた接合子は配偶体内で発達して果胞子体carposporophyteとなる。この果胞子体が最終的に果胞子を生じるが,受精から果胞子形成までの過程はさまざまな型があり,紅藻植物を分類する場合の重要な特徴となる。…

※「造果器」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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