連子・櫺(読み)れんじ

精選版 日本国語大辞典 「連子・櫺」の意味・読み・例文・類語

れん‐じ【連子・櫺】

〘名〙
① 建物の窓、または扉、高欄などの一部に、方形断面の材を、稜を正面に向けて枠内に並べ取り付けたもの。連子窓。連子格子。羅門(らもん・らんもん)。れにじ。→語誌。
※宇津保(970‐999頃)楼上上「れんじすべき所には、白く青く黄なる木のぢんをもちて、色々に造らせ給ふを」
② ①に入れた断面が角あるいは菱形の棒。連子子。
正倉院文書‐造石山院所返抄・天平宝字六年(762)七月二一日「連子廿三枝〈長六尺三寸方二寸〉」
[語誌](1)「連子」は当て字。正字「櫺」(格子模様にした木枠の意)は韻尾が -ŋ で、呉音リャウ、漢音レイ。それが「レン(シ)」になるのはŋがnに変化したもので、俗用であった。
(2)後には、「連子(窓)」と「格子(窓)」の厳密な区別が失われ、たとえば、茶室の丸竹を打った格子窓、あるいは住宅の普通の縦格子の窓も「連子窓」といわれることがある。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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