最新 地学事典 「過剰間隙水圧」の解説
かじょうかんげきすいあつ
過剰間隙水圧
excess pore water pressure ,over pressure
K.Terzaghi が圧密理論を組み立てる際に導入した概念で,圧密が進行していない定常状態の間隙水圧(静水圧)を基準とした場合,それを上回る間隙水圧のこと。一般的に,飽和した地盤内の応力は次式によって釣り合っている。全応力(σ)=有効応力(σ’)+間隙水圧(u)。ここで,粘土地盤が載荷を受けて全応力(σ)が増加したり,また杭打ちや地震などによって土が乱れて有効応力(σ’)が減少したりすると,釣合式によって地盤内の間隙水圧が増加する。水圧の増加分が過剰間隙水圧であり,地盤内で水圧差に応じて水の移動(圧密排水)が起こる。地震発生領域においては,地震による震動や応力変化等により,震源周辺域の断層帯内の間隙水圧が上昇すると,断層に働く有効法線応力が減少し,断層の摩擦強度が低下する。これに伴い,地震が誘発されることがある。
執筆者:安田 進・清水 恵助・中山 竜英・寺川 寿子
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

