中山(読み)ナカヤマ

デジタル大辞泉 「中山」の意味・読み・例文・類語

なかやま【中山】[姓氏]

姓氏の一。
[補説]「中山」姓の人物
中山伊知郎なかやまいちろう
中山義秀なかやまぎしゅう
中山茂なかやましげる
中山晋平なかやましんぺい
中山忠親なかやまただちか
中山忠光なかやまただみつ
中山なかやまみき

ちゅう‐ざん【中山】

琉球王国の異称。中国側からの呼称。小国家の中山が北山・南山を滅ぼし統一王朝を樹立したことからの名。

なかやま【中山】[地名]

千葉県市川市と船橋市にまたがる地名。日蓮宗法華経寺の門前町から発展。中山競馬場がある。

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精選版 日本国語大辞典 「中山」の意味・読み・例文・類語

ちゅう‐ざん【中山】

  1. [ 一 ] 古く、中国人が沖縄をさしていった語。一四一六年中山王尚巴志が全島を統一して以来、沖縄を中山国と称した。
  2. [ 二 ] 中国広東省南部の都市。中華民国の政治家、孫文の生地であるところから、その号を市名にした。

なか‐やま【中山】

  1. 〘 名詞 〙すずしろ(鬌)」の異称。〔物類称呼(1775)〕

なかやま【中山】

  1. 千葉県市川市の地名。鎌倉時代に法華経寺の門前町として発展。近年、東京近郊の住宅地となる。中山競馬場がある。

なかやま【中山】

  1. 姓氏の一つ。

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日本歴史地名大系 「中山」の解説

中山
なかやま

[現在地名]左京区岡崎〈真如堂前町・西福ノ川町・東福ノ川町〉付近

黒谷くろだにから神楽岡かぐらおかに至る間の地名。その名称は「吉記」養和元年(一一八一)九月二二日条に「参中山観音堂」とみえ、平安時代後期には既に現れる。古くからの三昧の地(墓地)で「山州名跡志」にも「此所京辺五三昧ノ内ナル由、載奇異雑談集」とあり、また「中山葬所」のあったことが同書に記されているが、こうした風景が貞応二年(一二二三)の源光行の紀行文「海道記」の冒頭部に「白河の渡り中山の麓に閑素幽栖の侘士あり」との表現になったのであろう。


中山
なかやま

[現在地名]丸子町大字御岳堂

御嶽堂みたけどう村の集落の一つ。諏訪・佐久・依田窪よだくぼ地方と信濃守護所のあった塩田しおだとを結ぶ古道の砂原すなはら峠は集落の西にある。承久四年(一二二二)二月源義朝の第一〇子八田知家の第三子茂木知基が、その子一王に小県郡依田庄のうち五ヵ村を譲った茂木文書に「壱所 在信濃国依田庄内五箇村飯沼・中山・真□・内村・腰越」とある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「中山」の意味・わかりやすい解説

中山(町)
なかやま

山形県中央部、東村山郡の町。1954年(昭和29)長崎町と豊田(とよだ)村が合併して成立。山形盆地の中西部に位置し、町域の東半部は最上(もがみ)川とその支流須(す)川に挟まれた肥沃(ひよく)な水田地帯、西半部は白鷹(しらたか)丘陵の山間地で、稲作を中心に、リンゴスモモなどの果樹栽培や畜産の複合経営の農業地域。JR左沢(あてらざわ)線と国道112号が町の中央部、国道458号が西側を縦貫する。鎌倉時代、承久(じょうきゅう)の乱(1221)で敗れた大江親広(おおえのちかひろ)に従ってこの地に落ち延びた中山忠義が一帯の開発を行い、以後中山一族が長崎楯(たて)と城下の整備を進めたが、1622年(元和8)の最上氏改易後は大部分が幕府領の時代が長かった。中心地長崎は最上川舟運の村山地方屈指の河岸として発達。近年は隣接する山形市のベッドタウン的性格が濃い。中山公園には、県営野球場がある。面積31.15平方キロメートル、人口1万0746(2020)。

[中川 重]

『『中山町史 資料編』全7冊(1970~1984・中山町)』『『中山町史』全5冊(1985~2005・中山町)』



中山(中国)
ちゅうざん / チョンシャン

中国、広東(カントン)省南部の地級市。珠江(しゅこう)デルタの南端に近く、経済特区の珠海(しゅかい)市に隣接する。人口142万3000(2010)。中山出身の在外華僑(かきょう)は約80万人を数える。孫文(そんぶん)(孫中山)の出生地であるところから、その名を市名としている。市内には孫文の旧居、紀念館、紀念中学などがある。珠海とともに観光開発が進み、温泉、レジャーセンター、ゴルフ場などがある。農業生産も盛んで、パイナップルレイシリュウガンなど熱帯果物の産出で知られ、郷鎮企業(1980年代の改革開放路線に基づいて町や村が経営する企業)の発展により、製糖、電子、家電、食品などの工業も発展している。とりわけ、電子商取引企業の成長が著しい。

[青木千枝子・河野通博・編集部 2017年1月19日]


中山(鳥取県)
なかやま

鳥取県北西部、西伯郡(さいはくぐん)にあった旧町名(中山町(ちょう))。現在は大山町(だいせんちょう)の東部を占める地区。大山の北麓(ほくろく)に位置し、日本海に面する。旧中山町は1957年(昭和32)中山、逢坂(おうさか)の2村が合併して町制施行。2005年(平成17)3月大山町、名和町(なわちょう)と合併。旧町域の海岸部をJR山陰本線、国道9号が通じる。下市(しもいち)は伯耆(ほうき)街道の旧宿場。米作、二十世紀ナシ、ブロッコリー、ネギ栽培、牧畜のほか、ウニやサザエ、ナマコ採取を行う。沿海礫浜帯にはアジサイ自生群落地や、国の天然記念物ハマナス自生南限地帯がある。古来狐憑(きつねつ)きを落とす祈願寺退休(たいきゅう)寺や、幸(さい)の神として男性神を祀(まつ)る木根(きのね)神社がある。米子(よなご)、倉吉(くらよし)両市の商圏や方言圏の漸移地帯。

[岩永 實]

『『中山町史』(1967・中山町)』


中山(千葉県)
なかやま

千葉県北西部、市川市の一地区。旧中山町。日蓮(にちれん)宗五大本山の一つ中山法華経寺(ほけきょうじ)の門前町として発展した。1253年(建長5)下総(しもうさ)八幡荘(やわたのしょう)若宮の豪族富木常忍(ときじょうにん)(胤継(たねつぐ))が迫害された日蓮を迎えて法華堂を建てたことに始まり、1331年(元弘1)中山の豪族太田氏の創建した本妙寺へ移築、合体して法華経寺となった。国宝の日蓮真筆の『立正安国論(りっしょうあんこくろん)』や『観心本尊抄(かんじんほんぞんしょう)』が保存され、五重塔、法華堂をはじめ国指定重要文化財が多い。寺内遠寿院における修行僧の100日間の荒行は有名。近世には市場町の機能も加え、現在は住宅地が広がり、商店街も充実している。

[山村順次]


中山(愛媛県)
なかやま

愛媛県中西部、伊予郡にあった旧町名(中山町(ちょう))。現在は伊予市の南東部を占める地域。旧中山町は、1925年(大正14)町制施行。1955年(昭和30)佐礼谷(されだに)村と合併。2005年(平成17)双海(ふたみ)町とともに伊予市に合併。JR予讃(よさん)線の伊予中山駅がある。南流する中山川沿いに国道56号(大洲(おおず)街道)が通じる。農林業が盛んで、クリの生産は県内有数、葉タバコやミカン栽培も行われる。中心集落の中山は大洲街道の継場として発展し、出淵(いずぶち)は大洲藩の在町であった。犬寄峠(いぬよせとうげ)は大洲街道の難所であったが、トンネル開通などの改修が行われ、県南部との重要な交通路となっている。

[横山昭市]

『『中山町誌』(1996・中山町)』

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改訂新版 世界大百科事典 「中山」の意味・わかりやすい解説

中山[町] (なかやま)

山形県中央部,山形盆地西部に位置する東村山郡の町。人口1万2015(2010)。東部は最上川と支流の須川にはさまれた平たん地で肥沃な水田地帯が広がり,西部は出羽山地南端の白鷹丘陵に属する山地で,リンゴ,オウトウの果樹園と山林が広がる。中心集落の長崎は,中世には中山氏が城を構え,近世には最上川水運の拠点となり,馬市なども立つ市場町としてにぎわった。米作を中心とする農業地域で,かつては反別収量日本一になったこともあるが,1970年に山形広域都市計画地域に指定されてからは,山形市のベッドタウンとしての色彩が強まり,人口も増加している。73年以降,南隣の山辺町とともに中国式じゅうたんを製造している。JR左沢(あてらざわ)線と国道112号線が南北に縦貫する。
執筆者:


中山 (ちゅうざん)
Zhōng shān

中国,春秋戦国時代の国名。春秋時代に白狄が鮮虞を破り,河北省新楽県付近に建てた国。初め鮮虞とよばれたが,春秋末に河北省唐県付近にうつり,中山と称した。戦国初めに顧(河北定県)にうつったが,前407年魏に滅ぼされた。桓公は霊寿(河北平山県北東)に都をうつして国を再興し,勢力を蓄え,一時は王と称した。前314年には斉とともに燕を討ち,疆域を拡大した。しかし前296年強大になった趙によって滅ぼされた。なお,最近,中山王墓が発掘され,日本においてもその出土品が展覧された。
春秋戦国時代
執筆者:


中山(鳥取) (なかやま)


中山(愛媛) (なかやま)

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百科事典マイペディア 「中山」の意味・わかりやすい解説

中山[町]【なかやま】

鳥取県西部,西伯(さいはく)郡の旧町。日本海の沿岸と大山(だいせん)北斜面を占める。山陰本線が通じる下市(しもいち)は江戸時代前期の宿場町。米作,乳牛飼育,二十世紀梨栽培が行われる。東境に船上(せんじょう)山がある。2005年3月西伯郡名和町と大山町へ編入。60.32km2。5288人(2003)。

中山【ちゅうざん】

中国,広東省南部の都市。珠江河口に位置する。南宋時代に香山県が置かれたが,同県の翠亨(すいこう)村が孫文(中山)の生地であったことから,1925年中山県に改名,1983年中山市に昇格した。米作のほか,茘枝(れいし),竜眼などの栽培が行われ,近年は加工貿易も盛ん。市内に孫中山旧居陳列館があり,中山港は対外開放港となっている。152万人(2014)。

中山【なかやま】

千葉県市川船橋両市にまたがる地区。中世以来日蓮宗四大本山の一つ法華(ほけ)経寺の門前町として発達,関東大震災後次第に住宅地化し,特に第2次大戦後は東京への通勤者住宅地として急速に膨張した。船橋市域に中山競馬場がある。

中山[町]【なかやま】

山形県中部,東村山郡の町。中心は山形盆地西部の最上川に沿う長崎で,城下町,河港として発達。米作,果樹栽培を基幹産業とし,花卉(かき),野菜も産する。缶詰,メリヤスなどの製造が行われる。左沢(あてらざわ)線が通じる。東日本大震災で,町内において被害が発生。31.15km2。1万2015人(2010)。

中山[町]【なかやま】

愛媛県中部,伊予郡の旧町。肱(ひじ)川の支流中山川の上流域と周辺山地を占める。古くから知られた中山クリの名産地。葉タバコ,シイタケ,ミカンも産する。予讃線が通じる。2005年4月伊予郡双海町と伊予市へ編入。75.42km2。4569人(2003)。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「中山」の意味・わかりやすい解説

中山
なかやま

鳥取県西部,大山町東部の旧町域。大山の北斜面から日本海岸にかけて広がる。 1957年中山村と逢坂村が合体して町制。 2005年大山町,名和町と合体して大山町となった。下市は江戸時代前期,山陰道の宿場町として発展。米作のほか二十世紀梨を産し,畜産も行なわれる。沿岸部ではサザエ,ヒラメを特産。退休寺,木ノ根神社,国指定天然記念物のハマナス自生南限地帯などがある。一部は大山隠岐国立公園に属する。

中山
なかやま

愛媛県中部,伊予市南東部の旧町域。内山盆地の北部にある。石鎚山脈の南端部,肱川の支流中山川上流域のわずかな平地を占める。 1925年町制。 1955年佐礼谷村と合体。 2005年伊予市,双海町と合体して伊予市となる。中心集落の中山は大洲街道の宿場町,出渕は山間盆地の商業中心地として繁栄。中山栗の名産地で,1960年代から観光クリ園も開かれ,山腹にはミカン園が増加,タバコの栽培も行なわれる。

中山
なかやま

千葉県西部,市川市南東部と船橋市の境界一帯の地域。日蓮宗四大本山の一つ法華経寺門前町として発達した。 1960年代以降は東京への通勤者が激増し,急激に都市化している。船橋市側に中山競馬場がある。

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世界大百科事典(旧版)内の中山の言及

【琉球】より

…按司は〈ぐすく(城)〉と称する城塞を築造して抗争し,12世紀末から13世紀には舜天,英祖などの強大な按司が出現し,14世紀に入ると沖縄本島を中心に〈三山(さんざん)〉と呼ばれる小国家が出現した。北部には今帰仁(なきじん)城を拠点とする〈山北(さんほく)(北山)〉が,中部には浦添(うらそえ)城(のちに首里(しゆり)城)を拠点とする〈中山(ちゆうざん)〉が,南部には島尻大里(しまじりおおざと)城(一時は島添(しまそえ)大里城)を拠点とする〈山南(さんなん)(南山)〉が割拠して互いに覇を競った。 1372年中山王察度(さつと)は中国に誕生した明朝の太祖洪武帝の招諭を受け入れて初めて入貢し,その冊封(さくほう)体制の一員となった。…

【高山[村]】より

…子持山,小野子山の北にあり,中央部を吾妻川の支流名久田川が西流する。中心集落の中山は江戸時代,三国街道の宿場町であった。県内の葉タバコ栽培の中心地であったが,1950年以降生産は減少した。…

【市川[市]】より

…人口44万0555(1995)。1934年市川,八幡,中山の3町と国分村が合体して市制を施行し,その後行徳町など周辺の町村を編入した。市域は両総台地の西端から江戸川の三角州にまたがり,江戸川をはさんで東京都江戸川区に接する。…

【境】より

…例えば〈黒山(くろやま)〉は,古代以来の一種のタブー視された,原始樹海の生い茂った山であり,境界の山であったが,中世になると,そのような山にも開発の斧が入れられた。また〈中山(なかやま)〉というのは峠の地名であり,国境あるいは荘,郷,保,村の境として現れる。交通上の境となっていたのである()。…

※「中山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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