最新 地学事典 「摩擦強度」の解説
まさつきょうど
摩擦強度
frictional strength
断層が支えることのできる最大剪断応力は,摩擦強度または最大摩擦強度(ultimate frictional strength)と呼ばれる。最大摩擦強度を超えてさらにすべりが起こると,断層に沿う摩擦抵抗は徐々に減少してほぼ一定になる。このときの断層面上の剪断応力は残留摩擦強度(residual frictional strength)と呼ばれる。J.D.Byerlee(1978)は,多くの岩石の最大摩擦強度が,τ=0.85σ(σ≦200MPaのとき),τ=50MPa+0.6σ(200MPa<σ<2GPaのとき)によって与えられることを示した(τ:断層面上の剪断応力,σ:断層面に垂直に作用する応力)。脆性破壊が起こる領域でのリソスフェアの強度は,この式で近似されることが多い。断層帯に粘土鉱物のような板状結晶構造をもつ鉱物が含まれると,摩擦強度は上式で与えられるよりも小さくなる。参考文献:J.D.Byerlee(1978) Pure Appl. Geoph.,Vol.116: 586
執筆者:嶋本 利彦
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

