朝日日本歴史人物事典 「遠藤元閑」の解説
遠藤元閑
江戸中期の茶人,医者。広長軒と号した。尾張徳川家の藩医の家に生まれ,医のかたわら,明暦2(1656)年ごろ,小堀遠州門下の岡部道可に茶を学ぶ。元禄・宝永期(1688~1711)に茶,花,香,軍記などに多くの著作を残した。茶道関係では,点前解説書としての『茶之湯三伝集(茶湯秘伝図式)』『当流茶之湯流伝集』『茶之湯真台子(茶之湯綱目)』『茶之湯指南抄』のほか,懐石料理の書『茶湯献立指南』,茶の湯百科としての『茶湯評林』,茶人伝『茶之湯六宗匠伝記』『茶之湯古今惑問』,その他礼法書『嫁娶調宝記』などがある。
(谷端昭夫)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報