精選版 日本国語大辞典 「邪馬臺国」の意味・読み・例文・類語
やまたい‐こく【邪馬臺国・耶馬臺国】
- 中国の史書「三国志‐魏書・東夷伝・倭人」(但し邪馬壹国とある)「後漢書‐東夷伝・倭国」に記載され伝えられる三世紀に倭(わ)にあった女王国の名。女王卑彌呼(ひみこ)によって支配される国とする。その所在地については多数の説があるが、北九州説と、畿内説に大別される。やばたいこく。
邪馬臺国の語誌
魏書の「南至二邪馬壹国一、女王之所レ都、水行十日、陸行一月」では「邪馬壹国」とあり、後漢書の「国皆称レ王、世世伝レ統、其大倭王居二耶馬臺国一」では「邪馬臺国」とあるが、「壹」は「臺」の誤りで、「臺」は「台」と通じるから「やまと」と読めるとする説がある。しかし、「壹」は「臺」の誤りとしても、中国上古音で「臺」にはタイの音はあるが、トの音があるかどうか確証はない。「台」は中国上古音ではトであり、中古音ではタイとなる。したがって上古では「臺」にもトの音があったとすれば「ヤマト」と読めるが、「臺」と「台」とが別音であったとすれば、「ヤマタイ」と読まざるを得なくなり、いわゆる「ヤマト」の地名を指すかどうか問題となる。