三国志(読み)さんごくし(英語表記)San-guo-zhi; San-kuo-chih

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

三国志
さんごくし
San-guo-zhi; San-kuo-chih

中国,三国時代の史実を記した正史。陳寿撰。魏書 30巻,蜀書 15巻,呉書 20巻の全 65巻。表と志とはない。この書はもともと陳寿が私撰したもので,官撰の国史ではなかった。それだけに著者の史観や史才が制約を受けることなく発揮されている。陳寿の死後正史とされた。現行の『三国志』の刊本は南朝宋の裴松之の注がついていて,この注には『魏略』をはじめとする今日散逸した書物の記事が多く残っている。『魏志倭人伝』の日本に関する記述は,日本上代史研究に不可欠のものである。

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デジタル大辞泉の解説

さんごくし【三国志】

中国の二十四史の一。魏(ぎ)蜀(しょく)三国の歴史を記した書。西晋陳寿の撰。魏志30巻・呉志20巻・蜀志15巻の65巻からなる。魏志の「東夷伝倭人の条」(魏志倭人伝)は3世紀ごろの日本に関する重要な文献。→三国志演義
北方謙三の長編歴史小説。を原典とする。平成8年(1996)から平成10年(1998)にかけて全13巻を刊行。

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百科事典マイペディアの解説

三国志【さんごくし】

中国,三国時代に関する史書。西晋の陳寿著。3世紀末成立。《魏志》26列伝30巻,《蜀志》15列伝15巻,《呉志》20列伝20巻よりなる。魏を正統としているが,全体として編纂(へんさん)の態度は慎重,また記述は簡約をむねとした。南宋の裴松之(はいしょうし)の注がある。《魏志倭人伝》は日本に関する最古の文献。→三国演義
→関連項目川本喜八郎後漢書三韓正史東夷夫余

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防府市歴史用語集の解説

三国志

 中国の三国時代[さんごくじだい]を扱う歴史書で、同じ名前の歴史小説ではありません。魏書[ぎしょ]・呉書[ごしょ]・蜀書[しょくしよ]の3つに分かれ、魏書の中の一部が『魏志倭人伝[ぎしわじんでん]』と呼ばれる、邪馬台国[やまたいこく]や卑弥呼[ひみこ]について書かれているものです。

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デジタル大辞泉プラスの解説

三国志

吉川英治の長編歴史小説。1939~43年新聞連載。中国の歴史小説「三国志演義」をベースとした、著者の代表作のひとつ。

三国志

横山光輝による漫画作品。紀元2世紀の中国を舞台に、劉備関羽張飛桃園誓いから、魏呉蜀の三国鼎立、蜀の滅亡までを描く。『希望の友』『少年ワールド』『コミックトム』1972年~1987年に連載。潮出版社希望コミックス全30巻。第20回(1991年度)日本漫画家協会賞 優秀賞受賞。

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世界大百科事典 第2版の解説

さんごくし【三国志 Sān guó zhì】

中国,西晋の陳寿(233‐297)の著。の3国が鼎立した3世紀の歴史をあつかう正史。《史記》《漢書》《後漢書》とあわせて〈四史〉とよばれる。〈魏志〉30巻,〈蜀志〉15巻,〈呉志〉20巻。〈魏志〉の東夷伝に倭人伝がそなわることは有名(魏志倭人伝)。〈魏志〉は王沈の《魏書》と魚豢(ぎよかん)の《魏略》を,〈呉志〉は韋昭の《呉書》を参考とし,〈蜀志〉は蜀の遺臣である陳寿みずからの見聞にもとづいて書かれたものと考えられる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

三国志
さんごくし

中国、三国時代の歴史を記した歴史書。65巻。陳寿(ちんじゅ)(233―297)の撰(せん)。もとは私撰の書であった。魏(ぎ)志30巻、蜀(しょく)志15巻、呉(ご)志20巻よりなり、魏志にのみ本紀を設け、志、表の類はいっさいない。このように魏を正統として蜀を退けたので、後世、正統論が盛んになると本書も非難の対象となり、蜀を正統とする『続漢書』なども書かれたが、資料批判が厳密であり、記述も三国に公平であるので、正史中でも良書のなかに入る。ただ叙述のやや簡略にすぎるところを、南朝宋(そう)の裴松之(はいしょうし)(372―451)の注が補っている。裴松之は多くの書籍を集めて注を施したが、現在散逸して伝えられていないものが含まれていて重要である。しかし本文と裴注を比較することにより、陳寿の資料批判の厳正さがよくわかることもある。魏志巻30「東夷伝」(とういでん)中に倭人伝(わじんでん)があり、わが国に関する最古のまとまった記録である。また『三国志演義』は陳寿の三国志をもとにしてつくられたものである。[狩野直
『宮川尚志訳『三国志』(1970・明徳出版社)』

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