鄭氏政権(読み)ていしせいけん

百科事典マイペディア 「鄭氏政権」の意味・わかりやすい解説

鄭氏政権【ていしせいけん】

17世紀台湾に出現した漢族政権。1662年,明の遺臣鄭成功が抗清復明を唱え,清に反攻する拠点を求めて台湾に進出,オランダ勢力を駆逐して,台湾の統治権を掌握した。鄭成功は62年に病没するが,長男鄭経があとを継ぎ,清の招撫を拒否してしばしば大陸沿岸部に侵攻,台湾経営を継続させた。鄭経は82年に病没,1683年,その子・鄭克爽が清軍に降伏して政権は消滅した。短命に終わったものの,鄭氏政権は台南を拠点に,独自の元号を使用,徳川幕府,イギリス・東インド会社などと通商関係を結んで交易し,内政でも屯田政策を進めるなど,独立国としての体裁を整えていた。

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