野火病(読み)のびびょう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「野火病」の意味・わかりやすい解説

野火病
のびびょう

タバコの病気で、シュードモナス・シリンゲ・タバキPseudomonas syringae pv. tabaciという細菌の寄生によっておこる。葉に水浸状の小さい黄色の斑点(はんてん)ができ、のちに病斑の周りに明瞭(めいりょう)な黄色の暈(かさ)(ハロー)ができる。病勢が進むと隣接した病斑が互いに融合して大きくなり、ついには葉は破れてぼろぼろになる。暴風雨のあとなどに、あたかも野火のように急速に広がり大きな被害を与えるので野火病とよばれている。なおこの細菌の産生する毒素は野火病毒素といわれる。この毒素はラクチル‐アミノハイドロオキシ‐アミノ ピメリン酸のラクトン体で、50ppmの濃度でタバコの葉に壊死(えし)斑を生ずる。この毒素は、グルタミン合成酵素の活性を阻害する作用がある。

[梶原敏宏]

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