野生動植物種保存法(読み)やせいどうしょくぶつしゅほぞんほう

百科事典マイペディア 「野生動植物種保存法」の意味・わかりやすい解説

野生動植物種保存法【やせいどうしょくぶつしゅほぞんほう】

絶滅の恐れのある野生動植物保護施策の対象を,従来の鳥獣中心から野生動植物全般に広げ,生息地の保護・管理までをも含めて,生態系を保護することを目的とする法律。正式名称は〈絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律〉。1992年6月,公布され,翌1993年4月に施行された。絶滅の恐れのある野生生物種を〈国内希少野生動植物種〉に指定し,学術目的以外の捕獲採取売買輸出入などを禁止するとともに,〈生息地等保護区〉を設定する。その保護区のうち,繁殖産卵など種の維持に必要な場所は〈管理地区〉に指定して開発行為を許可制とする。〈生息地等保護区〉内のそれ以外の場所は〈監視地区〉に定め,開発をする場合には届け出を義務づける。また〈管理地区〉のうち,特に重要な地は〈立ち入り制限地区〉とする。生態系全体を保護することで絶滅の恐れのある生物種の保護を十全になしとげることを目指しており,この点で日本最初の総合的・体系的な生物種保護法であるといえる。→絶滅動物

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