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生態系 せいたいけい ecosystem

翻訳|ecosystem

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

生態系
せいたいけい
ecosystem

生物群集とそれを取巻く物理的・化学的環境がつくりだす機能的なまとまりをさす。この考えはイギリスの生態学者 A.タンズリーによって提唱された (1935) 。一つの生態系内で各生物は生産者,消費者というような役割分担を有し,それらの間での物質およびエネルギーの流れの解析が,生態学の一分野として重要である。

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知恵蔵2015の解説

生態系

一定の場所にすむ全生物とその環境を、物質循環エネルギーの流れに着目して1つのまとまりとして捉えたもの。生産者・消費者・分解者・無機的環境の4つが基本的な構成要素。海洋、湖沼、河川、森林、草原、砂漠、都市などが代表的な生態系であるが、数滴の水たまりから地球や宇宙まで、様々なレベルの生態系がありうる。これに対して生物群集は生物の種間関係に着目した概念で、食う食われるの関係を追究する食物連鎖ニッチの研究が中心となる。

(垂水雄二 科学ジャーナリスト / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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デジタル大辞泉の解説

せいたい‐けい【生態系】

ある地域に生息するすべての生物群集と、それを取り巻く環境とを包括した全体。エコシステム
[補説]生態系では生産者消費者分解者による物質循環がみられる。例えば、植物は無機物から有機物を生産、植物を食べる動物は有機物を消費して活動し、動物の排泄物および死骸は菌類が分解して無機物へと還元する。通常はこのバランスが保たれているが、気候変動や人為的影響により崩れることがある。

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百科事典マイペディアの解説

生態系【せいたいけい】

エコシステム(ecosystem)とも。景観としてまとまりをもつ一定地域内のすべての生物と非生物的環境を,エネルギーの流れ,食物連鎖物質循環などに着目して,一つの機能系とみなしたもの。
→関連項目害虫生態学地球規模海洋生態系変動研究計画バイオマスバイオ・レメディエーション

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世界大百科事典 第2版の解説

せいたいけい【生態系 ecosystem】

ある地域に住むすべての生物とこれに相互に作用し合う非生物的環境をひとまとめにし,エネルギーの流れ物質循環に着目して一つの機能系とみなしたもの。イギリスの植物生態学者タンズリーA.G.Tansleyが1935年に提唱した語。
[生態系概念の発展]
 ある地域に住む生物とそれをとりまく環境が互いに密接な関係をもち,全体として一つの系を作り上げているとする自然認識はかなり古くからあった。ドイツメービウスK.A.Möbiusが海中に固着生活をするカキの個体群とそこに共存する動植物が形成するとした〈生物共同体〉(1877),アメリカの昆虫学者フォーブズE.Forbesが湖沼とそこに住む各種生物について述べた〈小宇宙〉(1887),ロシアの林学者モロゾフG.E.Morosovの森林の樹木やそのなかの動植物が相互作用をもち形づくるとした〈有機体〉または〈共同体〉(1928),ドイツの林学者メーラーA.Möllerの〈森林有機体〉などの考え方である。

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大辞林 第三版の解説

せいたいけい【生態系】

自然界のある地域に住むすべての生物群集とそれらの生活に関与する環境要因とを一体として見たもの。エコシステム。

出典|三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

生態系
せいたいけい
ecosystem

ある一定の地域で生息しているすべての生物と、その無機的環境とを含めて総合的なシステムとみた場合、それを生態系(エコシステム)という。とくに、そのなかでの物質循環やエネルギーの流れ、さらに情報量あるいは負のエントロピーの維持・伝達といった機能的な側面に重点を置く。すなわち、太陽光線をエネルギー源として生産者(緑色植物)は、無機的環境から取り込んだ物質を素材として有機物を合成し、太陽光線のエネルギーが化学的エネルギーに転換される。これに依存して生活する消費者(動物)はその化学的エネルギーの一部を成長・増殖、さらに生活行動に必要な形態に転換して利用する。生産者および消費者の排出物や遺体は分解者(細菌や菌類。還元者ともいう)によって利用し分解され、物質はふたたび無機的環境に還元される。
 この過程で、太陽光線を供給源とするエネルギーを種々の形に転換して利用することにより、その生物共同体が維持されているが、熱力学の第二法則に従って、そのエネルギーは最後には熱として外界に放出される。したがって、生態系は、太陽光線をエネルギー源とし、無機的環境―生産者―消費者―分解者―無機的環境へと、物質の有機化・無機化の過程を通して循環させることにより営まれている一つの巨大な自律的機関であるとみなすことができる。こうした機能をもった生態系の構造の安定性や効率などの問題を明らかにすることは、生態系の性質を理解するうえで重要である。
 生物と環境を含めた総合的な見地の重要性は、古くから多くの人によって意識されていたが、エコシステムということばは1935年イギリスの植物生態学者タンズリーA. G. Tansley(1871―1955)によって初めて提唱された。ひと口に生態系といっても、その無機的環境の条件によってその様相はいろいろと異なっている。たとえば、海洋、湖沼、陸地、極地、砂漠などの生態系に区別されることがあるし、またその生物相の特性によって草原生態系、森林生態系あるいは鳥類生態系とか、耕地生態系、都市生態系など、最近ではきわめて広い範囲の対象に対して生態系ということばが使われるようになっている。
 生態系を、生物進化の視点から考察することが近年とくに重要視されるようになり、進化生態学とよばれる分野の研究が盛んになりつつある。生態系の研究は今後、集団生物学や社会生物学などを総合した広い視野にたった学問の研究対象として理解がさらにいっそう深められていくことであろう。[寺本 英]

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世界大百科事典内の生態系の言及

【生物群集】より

…遺伝学の分野では,ほぼ同じ内容のものを集団と呼んでいる。 一方,ある地域にすむすべての生物とその地域の非生物環境とをひとまとめにし,主として物質やエネルギーの動きに注目して機能的にとらえたものを生態系ecosystemと呼ぶ。早わかり的にいえば,群集と非生物環境を合わせて力学系と考えたものである。…

【エコロジー運動】より

…エコロジーecologyは生物学の一分野である生態学を意味する英語。人間と自然環境とのバランス,さらに物質循環との相互関係を,人間は生態系という有機体の一員であるという視点からとらえる運動である。このような運動は1960年代後半からヨーロッパ,北アメリカなどの工業化社会で,自然と調和し共存できる生活,経済,社会のあり方を求める人々によって起こされてきた。…

【生態学】より

…生物学の一分野であるが,どのような範囲を指すかは研究者によって異なり,定義は一定しない。このことばを最もすなおに受け取れば,生物の生態を対象とする分野ということになるが,この生態ということばそのものがかなり多義的であるうえに,一方では生態に含めるのがふつうな内容(例えば行動や習性)を生態学に含めない場合がしばしばあるのに対し,一方では生態にふつうは含めないような内容(例えば生態系の物質循環)がかなりの研究者によって生態学に含められているからである。
[概念の成立]
 そもそも生態ということばはそれ自体が生態学ということばと同時に造られたもののように思われる。…

【生物群集】より

…遺伝学の分野では,ほぼ同じ内容のものを集団と呼んでいる。 一方,ある地域にすむすべての生物とその地域の非生物環境とをひとまとめにし,主として物質やエネルギーの動きに注目して機能的にとらえたものを生態系ecosystemと呼ぶ。早わかり的にいえば,群集と非生物環境を合わせて力学系と考えたものである。…

【物質循環】より

…生態系において,生物体を構成するさまざまな物質が環境から生物にとり込まれ,食物連鎖や腐食連鎖を通じて生物間を移動し,再び環境にもどされることをいう。エネルギーの流れとともに,生態系の最も重要な機能の一つであるが,化学物質は環境と生物の間をなん回でも循環することが可能であり,この点で一方的な流れであるエネルギーの流れとは対照的である。…

※「生態系」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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