野老葛(読み)トコロズラ

デジタル大辞泉 「野老葛」の意味・読み・例文・類語

ところ‐ずら〔‐づら〕【野葛】

[名]トコロ古名
稲幹いながらに這ひもとほろふ―」〈・中・歌謡
[枕]
同音の繰り返しで「とこしく」にかかる。
「―いや常しくに我かへり見む」〈・一一三三〉
芋を掘るとき、つるをたどるところから、「め行く」にかかる。
きの小大刀をだち取り佩き―尋め行きければ」〈・一八〇九〉

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精選版 日本国語大辞典 「野老葛」の意味・読み・例文・類語

ところ‐ずら‥づら【野老葛】

  1. [ 1 ] 植物おにどころ(鬼野老)」の古名。
    1. [初出の実例]「なづきの 田の稲幹(いながら)稲幹に 這ひ廻(もとほ)ろふ 登許呂豆良(トコロヅラ)」(出典古事記(712)中・歌謡)
  2. [ 2 ]
    1. 同音の繰り返しで、「常敷(とこしく)に」にかかる。
      1. [初出の実例]「すめろきの神の宮人冬薯蕷葛(ところつら)いやとこしくに吾かへり見む」(出典:万葉集(8C後)七・一一三三)
    2. いもを掘り取るために、そのつるをたどっていくところから、「尋(と)め行く」にかかる。
      1. [初出の実例]「もころ男(を)に 負けてはあらじと 懸佩(かけはき)の 小劔(をだち)取り佩き 冬蕷都良(ところツラ)(と)め行きければ」(出典:万葉集(8C後)九・一八〇九)

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動植物名よみかた辞典 普及版 「野老葛」の解説

野老葛 (トコロズラ)

植物。野老の古名

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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