金引く(読み)カナビク

デジタル大辞泉 「金引く」の意味・読み・例文・類語

かな‐び・く【金引く】

[動カ四]
刀の切れ味を試す。
太刀の金をも―・きて御覧候へかし」〈太平記三三
相手の心を試す。
「おのおのの御心どもを―・き奉らんとてこそ申したれ」〈平家・七〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「金引く」の意味・読み・例文・類語

かな‐び・く【金引】

  1. 〘 他動詞 カ行四段活用 〙
  2. 刀の切れあじをためす。
    1. [初出の実例]「直常が太刀金をも金引て御覧候へかしと」(出典:梵舜本太平記(14C後)三三)
  3. 人の心をためす。ためしに人の気をひいてみる。
    1. [初出の実例]「まことには、おのおのの御心どもをかなびき奉らんとてこそ申たれ」(出典:平家物語(13C前)七)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android